シーサーを家に飾ろうとしたとき、
という疑問が出てくることがありますよね。
いざ検索して調べてみると、
といった説明が多く出てきます。
一方で、地域や作家によってはシーサーの置き方や位置には厳密な決まりは無く、
実際に沖縄では自由に置かれている、という内容を見かけることがあります。
と不安になっている方に向けて、
この記事では、一般的に「正解とされている考え方」を見ていきながら、
実際にシーサーを家の守り神として迎えている筆者の視点を述べています。
どう受け止めて考えれば気持ち良く納得するのかを解説しています。
シーサーに「オス」と「メス」って本当に存在するの?

シーサーに「オス」と「メス」って本当に存在するの?
1.一般的に言われているオス・メスの区別の仕方について
シーサーのオス・メスについては、
人々が受け継がれてきた内容と現代の解釈が混ざった形で広まった考え方が主流です。
まずは、現在で一般的に「よく知られている答え」をご紹介します。
「オス」のシーサーの特徴

「オス」のシーサーの特徴:口を大きく開いている
「メス」のシーサーの特徴

「メス」のシーサーの特徴:口を閉じている
一対(オス・メス)の特徴

一対(オス・メス)の特徴:攻めと守りの両方と繁栄
これらは観光地の案内板や、工芸品の説明文でも頻繁に使われているため、
現在では「ほぼ共通認識」と言っても良い内容だと思います。
この前提を知っておくことで、
「一般的に何が正解かわからない」という不安はとりあえず解消されます。
2.そもそも「厳密な決まり事」があるわけではない理由
一方で、「絶対にこうであるべき」という決まり事が存在している訳でもありません。
その理由は、沖縄でシーサーという存在が誕生した成り立ちにあります。
つまり、シーサーは厳密な意味での信仰対象「神そのもの」では無く、
沖縄の人々にとって「守り神」として災いを防ぐ役割を託された存在です。
その為、「こう解釈されることが多いです」という共通した理解は存在しても、
教科書的な「絶対に○○すべきです」といった正解が一つだけあるわけではありません。
シーサーのオスとメスに込められた「意味の違い」は?

シーサーのオスとメスに込められた「意味の違い」は?
1.オスのシーサーに込められた意味:「家に近づく魔を追い払う」
一般的にオスとされるシーサーは、口を開けた力強い表情で作られていることが多く、
外に向かって家に入ろうとする魔を威嚇する存在として解釈されます。
沖縄の家の玄関や門、屋根の上に口を開けたシーサーが置かれることが多いのも、
これらの役割をイメージすると想像がしやすいと思います。

沖縄の家の屋根の上で口を大きく開けたシーサー
「家に入ってくる悪いものを追い払う」
この役目を担うのがオスと理解すると分かりやすいです。
2.メスのシーサーに込められた意味:「家から福を逃がさない」
一方でメスとされるシーサーは、口を閉じた状態のものが多く、
家の中の福を逃がさず内側を守る存在として語られることが多いです。
オスが「外向きの攻め」だとすれば、メスは「内向きの守り」と言えます。
この二体が並ぶことで、外からの魔を追い払い、家の内を整えるという状態が生まれる、
このような説明をされることが多いです。
シーサーの「口の形」を見て阿吽(あうん)の意味が分かる?

シーサーの「口の形」を見て阿吽(あうん)の意味が分かる?
1.口を開けているシーサーの解釈
口を開けているシーサーは、見た目にも力強く、初めて見る人にも印象に残ります。
この形については、以下のように説明されることが一般的です。
「阿(あ)」の口=始まりを表す
一言で言えば「入ってくるものを防ぐ役割」を「阿(あ)」のシーサーが担っています。
シーサーの口の形が阿(a)と「最初に発する音の形」をしているのが特徴です。
※「阿(あ)」=「口を開けているシーサー」=「オス」というのが一般的に多い
2.口を閉じているシーサーの解釈
口を閉じているシーサーは、
穏やかで落ち着いた表情をしているものが多く、見る人に安心感を与えます。
「吽(うん)」の口=終わり・完成を表す
一言で言えば「すでにあるものを守る役割」を「吽(うん)」のシーサーが担っています。
シーサーの口の形が吽(hum)と「最後に発する音の形」をしているのが特徴です。
※「吽(うん)」=「口を閉じているシーサー」=「メス」というのが一般的に多い
3.阿吽(あうん)=「全てを受け止め、全てを閉じる」という概念
この阿吽(あうん)という言葉は、
仏教・インド哲学に由来しており、サンクリット語の音声概念を漢字化したものとされています。
意味合いとしては「始まりから終わりまで」という概念を一対の音で表した言葉です。
その概念をシーサーに落とし込んだ時に、
という風に阿吽(あうん)が持つ意味をシーサーの「口の形」で表現されるようになり、
この対比が、「オス・メス」の区別や見分け方として語られてきました。
シーサーを置く際の左右の配置についての定番の置き方は?

シーサーを置く際の左右の配置についての定番の置き方は?
1.一般的に広まっているシーサーの左右の配置について
ここも多くの方が悩むポイントですが、
一般的にもっとも多く説明されている配置は以下の内容です。
この配置は、中国の石獅子やタイ・ラオスのシンハ像の配置と同じ考え方に基づいています。

左:中国の石獅子/右:タイ・ラオスなどのシンハ像
観光施設や案内資料でも、先ほどの説明がされていることが多いため、
「迷ったらこれにしておけば良いだろう」と言える定番の配置と言えます。
2.左右が逆でも問題はないのか?
一方で、「左右が逆だと縁起が悪いのでは?」と不安になる必要はありません。
重要なのは、オス・メスが「一対」として大切に置かれているかどうかです。

沖縄の家で定番の位置と逆に置かれているシーサー(左:オス/右:メス)
沖縄では自由に置かれている印象ですが、
左右の置き方に神経質になりすぎて、置くこと自体がストレスになるのであれば、
本来の「守り神」としての意味から離れてしまうので定番の置き方で良いと思います。
シーサーの「置く場所」はどう考えるべきか?

シーサーの「置く場所」はどう考えるべきか?
1.玄関・屋外に置く場合の考え方
シーサーを置く場所として、昔から定番なのが玄関や門、ベランダなどの屋外です。
これは「外からの災いを防ぐ」という「魔除け」としての役割に期待されている印象を受けます。
一般的に説明される考え方を整理すると、以下のようになります。
こうした説明は、観光案内や工芸品の解説でも多く見られます。

家の玄関に盛り塩と一緒に置かれているシーサー
「シーサーは外に置くもの」と言われる背景には、こうした考え方があります。
2.室内に置いても問題ないのか
一方で、現代の住宅を見てみると、
という方も少なくありません。
結論から言えば、室内に置いても問題はありません。
「外に置かなければ意味がない」というのは、あくまで一つの解釈に過ぎません。
昔とは違い今の時代では室内に置くのは自然となっておりインテリアの一部も担っています。

部屋のラック(棚)の上に飾られた青白シーサー

収納棚の上に観葉植物と飾られている黒いシーサー

和室に座布団を敷いて置かれた黒いシーサー

オスとメスが仲良くおんぶしている金のシーサー
これらはほんの一例で、今やシーサーは室内にも自然に置かれるようになっています。
大切なのは、自分の生活空間の中で、納得できる形で迎え入れているかどうかです。
シーサーを「一体だけ」で置くのは本当は良くないの?

シーサーを「一体だけ」で置くのは本当は良くないの?
1.一体置きに対する一般的な見解
シーサーは「一対で置くもの」というイメージが広がっているため、
一体だけ置くことに「本当に良いの?」と不安を感じる方もいると思います。
一般的に言われる考え方としては、
こうした説明があるのは事実です。
そのため、「可能であれば一対が望ましい」という表現が多く使われます。
2.「一体でも問題ない」と考えられる理由
一方で、沖縄の実生活の中では一体だけのシーサーも数多く見られます。
このように「一体だから意味がない」ということはありません。
沖縄には一体で置かれているシーサーはよく見かけます。

沖縄の家の屋根の上に一体で置かれているシーサー

沖縄のゆいレール牧志駅前にいる「さいおんうふシーサー」2011年9月完成(町のシンボル)

沖縄の読谷村にある日本最大級の巨大なシーサー「残波石獅子」1985年頃制作(中国との交易を記念)
作家さんが販売しているシーサーでも「一匹物」として制作されている事例もあります。

むしろ、自分がそのシーサーにどんな役割を託しているか?の方が重要です。
オス・メスが「分からない」シーサーの場合はどうする?

オス・メスが「分からない」シーサーの場合はどうする?
1.判別できないオス・メスの造形は無理に区別しない
最近では、
といったシーサーも良く見かけます。
こうした場合、無理にオスとメスの区別しようとする必要はありません。
「これはオスとメスどっちなのだろう?」と悩み続けるより、
「この表情が好きかも」「この雰囲気が心地良いんだよね」という感覚を大切にして問題ありません。

メス(左)のシーサーの口が少し開いている白いアートな雰囲気がある一対のシーサー

2体とも口を開けている一対の赤いシーサー
どうしても明確にオスとメスの区別が付いている方が良いという場合は、
誰の目から見ても分かりやすい表情や口の形をしているものが良いと思います。

明らかに表情で分かるオスメス一対の素焼きシーサー
2.阿吽(あ・うん)の考えを重視するなら分かりやすい表情
前提として、シーサーを「オス・メスという枠で見ない」という選択も十分にあり得ます。
シーサーを自宅に置く時点で
これらは、どれも間違いではありません。
一方で、「阿吽(あ・うん)の考えが分かりやすくシーサーに表現されたものが良いな」と考える場合は、

阿吽(あ・うん)の造形が分かりやすいオスメス一対の黒いシーサー
大きく口を開けているオスと口を閉じているメスの一対のシーサーを迎え入れるのが良いと思います。
まとめ
ここまで、一般的に認識されている「正解とされる考え方」を整理しながら、
実際に守り神としてシーサーを家に置いている筆者の意見も書いてきました。
シーサーは、「正しく置いたかどうか?」よりも「どう置きたいか?」だと思います。
オス・メス、左右の配置、口の形や見分け方など色々ありますが、
それらはすべて、シーサーと向き合うための入り口や判断材料に過ぎません。
どうしても不安になったときは、
これらの原点に立ち返ることで、シーサーに対する迷いや不安は軽減されます。
それで十分、シーサーはあなたの暮らしの中で、静かに役割を果たしてくれるはずです。
また、シーサーを迎え入れる際は作家さんのシーサーを見るとテンションが上がります。

写真をたくさん見ていくと自分の中で「好きなシーサーがどれか?」が浮かび上がってきます。
作家さんのシーサーは細部の作りや質感が全然違うので守り神として迎え入れたくなると思います。
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